君のためにできること
洋平が出ていくと、

「はぁーっ・・・。」

と貴史が大きく溜め息をついた。

「くっそ。洋平に見られた。」

「何をよ?」

「志麻ちゃんのナイスなボディ。くそー、オレだけ独り占めだったのにィ!」

そう言う貴史に、私の一撃が飛んだことは言うまでもない。

DVDが終わって、自分の部屋に戻ろうと窓から身を乗り出す。

「もう、帰んの?」

「うん。DVD、誰に借りたの?もぅ、ROBってば最高!楽しかった、ありがとね。」

「あぁ、隣のクラスの青木にね、貸してって頼んでたんだよ。アイツも洋楽好きだからさ。」

「そうなんだぁ。青木くんがねぇ・・・。何か意外。じゃあまた明日ね、おやすみ。」

「おう!おやすみ。」


次の日の朝、学校に行こうと玄関のドアを開けると、ちょうど真ん前の塀のところに、葛城くんの姿があった。

そして、私を見るなり、あのとびきりの笑顔で、

「おはようございます!」

と挨拶してきた。

私はどうして???と疑問ばかりが頭に残る。

「お・・・はよ。どうしたの?何でうちの前・・・。」

驚きを隠せないでいると、
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