君のためにできること

帰宅後に、質問攻めにあうことは間違いなしだ。

あー・・・面倒なことになったよー。

「あ、葛城くん。失礼なことしちゃってごめんね。もう、うちの母ったら・・・。」

「なんか優しそうなお母さんですね。」

「そう？どこにでもいるような母親だと思うけど。」

「少なくても、うちとは違うから・・・。」

おや。

私ってば、また何か失礼なこと、言っちゃったのかな？

「いや、そんなことはどうでもいいですよね。・・・で、吉野さんはオレのモデルになってくれる気、ありますか？」

「あのね、そのことなんだけどね・・・。」

「やっぱりだめですか？あの人、麻生さんがだめだって言うから・・・。」

「・・・ねえ。何で私なの？」

「え・・・？」

私は何で自分のことを葛城くんがモデルにするのかわからなかった。

どこにでもいるような平凡な私。

きれいな子なら、学校内にたくさんいる。

なのに、何で葛城くんは私を選んだんだろう・・・。

「そうですよね。そこからまず、説明しなくちゃ、訳わからないですよね。」

「うん、ごめん・・・。それが一番、疑問に思っていたことだから・・・。」