君のためにできること
「ちょーっと、何でまた葛城くんなのぉ?」

教室に入るなり、由加が私のところへ飛んできた。

「何で知ってるの?」

「だーって、窓から二人の姿、見えてたもーん。うちら・・・って、波子と私なんだけど、朝来てボーッとしながら外眺めてたのよ。そしたらさ、志麻が麻生くんじゃない男の子と歩いてるじゃない?えっ、誰誰?って思ってよーく見たら、葛城くんなんだもんー。こっちこそ、びっくりしたわよー!全くいつの間に知り合ったのよ?」

「昨日・・・よ。やっぱり葛城くんてば、由加チェック、入ってたか。」

「当たり前じゃない!私の情報網は甘く見ちゃいけないわよ。」

「・・・でさ。彼はハーフ?目の色とか、違うからさぁ。」

「じゃじゃーん!お答えしましょう!葛城朔弥16歳。ドイツ生まれのドイツ育ち。でも、ドイツにいたのは3歳まで。お父さんが日本人で、お母さんがドイツ人とのハーフなんだって。だから、葛城くんはクォーターということになりまーす!」

パチパチパチパチ・・・。

由加の素晴らしい情報に、思わず拍手してしまったよー。
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