君のためにできること
「ぴんぽーん。大正解。だから彼と登校なんて、滅多にどころか、する子はそれこそ特別ってこと。おわかり?」

はぁー。

そんなすごい人と知り合っちゃったなんて。

しかも偶然。

そしてなんと、絵のモデルまで頼まれちゃったりする。

うーん。

一気に悩み事が増えたぞ。

「いいないいな。麻生くんは本当に幼なじみってだけで、本命は葛城くんだったのかぁー。」

「おーい。由加ってば勝手に人の気持ちまで決めなーい!もう、葛城くんこそ昨日知り合ったばかりで、それこそ何にも知らないんだから!」

「けどさ。葛城くんは志麻のそばでよく見かけたよね?」

「そうそう。私としては一日一回は見れて幸せだったんだけど。志麻ってば、もしかして気づいてなかった・・・とか?」

「ま・・・ね。昨日廊下でぶつかって、ちょっとってかんじ。それまでは見たこともなかった。もし知ってたら、あれだけかっこいいんだもん、由加に誰って聞いてるよー。」

「ふーん。それは、麻生くんがいたから見えてなかったのかしらねぇ。」

またしても波子からの指摘が入った。
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