君のためにできること
5
放課後になると、葛城くんが教室まで迎えに来てくれた。
「ねぇ、いつもは車なんでしょ?」
帰りも電車で帰ると言うので、気になって聞いてみた。
「あれ?誰に聞きました?よく知ってますねぇ。ほら、せっかく吉野さんと帰れるんだから、ちょっと電車で遠回りしちゃおうかなって。」
そう言うことをさらっと言いのける葛城くんなので、
聞いたこっちが思わず赤面してしまう。
「葛城くんって、お坊ちゃんだったんだね・・・。しかも、結構有名人。なーんにも知らなかったよー。」
「そうでしょうね。吉野さん、麻生さんしか見えてないですもんね。」
そう言って、葛城くんは私のことをじっと見つめた。
でも、ふいっと視線をそらすと、
「オレ、ずっと吉野さんのことを見てたから、わかるんですよね。何となくっていうか、気づきたくもないんですけれどね・・・。」
と、寂しそうに言葉を吐き出した。
「あ、はっ。なんだ、気づかれてたのかぁ・・・。やだなぁ、私ってば、そんなにわかりやすいのかな・・・。」
「麻生さんだって、気づいてますよ。それでいて、気づかないフリしてるだけ・・・。」
「そんなことないでしょ。そんなこと・・・ないよ。」
「ねぇ、いつもは車なんでしょ?」
帰りも電車で帰ると言うので、気になって聞いてみた。
「あれ?誰に聞きました?よく知ってますねぇ。ほら、せっかく吉野さんと帰れるんだから、ちょっと電車で遠回りしちゃおうかなって。」
そう言うことをさらっと言いのける葛城くんなので、
聞いたこっちが思わず赤面してしまう。
「葛城くんって、お坊ちゃんだったんだね・・・。しかも、結構有名人。なーんにも知らなかったよー。」
「そうでしょうね。吉野さん、麻生さんしか見えてないですもんね。」
そう言って、葛城くんは私のことをじっと見つめた。
でも、ふいっと視線をそらすと、
「オレ、ずっと吉野さんのことを見てたから、わかるんですよね。何となくっていうか、気づきたくもないんですけれどね・・・。」
と、寂しそうに言葉を吐き出した。
「あ、はっ。なんだ、気づかれてたのかぁ・・・。やだなぁ、私ってば、そんなにわかりやすいのかな・・・。」
「麻生さんだって、気づいてますよ。それでいて、気づかないフリしてるだけ・・・。」
「そんなことないでしょ。そんなこと・・・ないよ。」