つぼみ、ほころぶ
ユウちゃんが出したあたしたちの感情に対する結論は、それはほんとにしっくりと、あたしの心に馴染んだ。


「可能性、道があるって知っただけで、まだ芽さえ出てないもんなんだ。そんな頃に突っ走っていい相手じゃお互いにない」


その通りなんだと、深く頷けた。


「――突っ走ってくれても、良かったのに」


阿呆と、以前通りの反応が返ってくる。


でも、その続きは、確かに以前とは違っていて。


「チイは、オレにとって別格なんだ。手の出しやすさも、存在も」

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