つぼみ、ほころぶ
従業員の綺麗なお姉さんが運んできてくれたハーブティー。そのカモミールの香りにも癒されて、あたしはようやく、お客様の気分を味わうことが出来た。


「さあ、チイちゃん。髪はどうしよっか?」


「うーん……」


「まだカラーもパーマも一度もしたことないから傷みないよね。ここまで長く健康に伸ばしたんだから、染めたいとか自分で思うまではそのままでいいかと、僕は思うけど」


「カズくんが言うならそうしよっかな。大変身してユウちゃんを驚かすのもいいけど」


「じゃあ、それはまたいつか。重い部分だけカットして、あとはアレンジでいいかな?」


「おっ、大人でねっ!!」


「はいはい。了解しました」
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