つぼみ、ほころぶ
「ユウちゃんっ! もういいって!!」


そして、カフェの入り口で最後にまた言い争う。


「もう今日は美容院も服もいっぱい奢ってもらったんだし、ここはあたし自分で払う。ユウちゃん自己破産しちゃうって!!」


お会計のお兄さんは困り顔だ。


「阿呆。いい大人にこんなとこでオバチャンみたくさせんなっ。破産なんかするかっ」


「そうでなくとも心が痛むんだよ~っ」


「そうかそうか。――、チイ。今日はまだまだ終わりじゃないぞ。他にもイベントは盛りだくさんだ。もっと痛めつけてやろう。それこそオレにひれ伏すくらいになっ」


「もういいことだかそうでないか分かんなくなってるよっ!!」


もうそれは、すでに彼氏の気遣いなんかじゃなくなってた。
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