つぼみ、ほころぶ
けど、あたしはそれを笑い飛ばしてあげた。
「何それっ!! 確かに言えないよねーっ。あたしじゃなくて女将さんにっ。類は友を呼ぶみたいなっ!?」
「っ、だろっ!! キャンセルしたら確実にそう思われるだろうし。だからさ、どうしようかずっと考えてたんだけど、どうにも名案が浮かばねえし、もう、直前に事故ったとか入院とか装おうかと」
そんな時、あたしが突然箱根なんて言いだしたものだから、ユウちゃんは内心とても驚いたらしい。
「もうどうにでもなれってな。やっぱキャンセル悔しかったし、ここ、料理がめちゃくちゃ美味いんだよな。それを逃すのも惜しかった」
もう、怒る気はとっくに失せてしまってた。
「――ケーキバイキングの時よりかは彼女演じる必要性感じたから、まあ、許してあげる。この関係性でこんなとこ、確かに違和感あるし、いちから説明は面倒」
妹の説明が簡単だけど、それも嘘なら、もういっそぶっ飛んでてもいい。