つぼみ、ほころぶ
「――でも、チイちゃんもこうして卒業しちゃったし、学生はゼロになっちゃったんだねえ」


ふいにカズくんがしみじみとする。


「だな。チイももうすぐ社会人か。オレはてっきり、怠けた大学生になると思ってたよ」


ようやくあたしの耳を開放したユウちゃんもしみじみ毒づく。


「……大学でのあたし、学食を楽しむ姿しか想像出来なかったんだよ」


勉学に励む姿なんて皆無だった。
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