つぼみ、ほころぶ
「お風呂で、あたし茹だってた?」
「ああ。……あんまり遅かったから、悪いが確認しに行った」
「命の恩人だねえ。ユウちゃんは」
「チイの恩人なんざ、もうとっくになってるぞ。命まではいかねえけど、危機はたくさん救ってきたな」
「――、だね」
「おう」
布団に横たわるあたしの身体には、浴衣が不器用に着せられてて。
「――意識ない人間って、とっても重いんだよね。ユウちゃん、たくさん力仕事させちゃったね」
「チイを担ぐなんて、もうほんとに久しぶりだったな。鍛えてるオレ様だから可能なことだ」
「そんなに超絶重量級みたいに言わないでよ。――汗、いっぱいかかせちゃったね。お風呂、行ってきて?」