つぼみ、ほころぶ

不器用に着せられた浴衣は、意識が朦朧とするあたしにユウちゃんがしてくれたこと。


「ユウちゃんでも、あたしの裸見たら何か感じる? ……もしそうなら、他の男の人なんて、たとえ好きな人じゃなくても触りたいとか、思うの?」


「……チイ……」


「男の人は……」


起き上がることはしなかったけど、相変わらずあたしを扇いでくれてたその手は停止した。


風の音さえしなくなった空間は、ほんとに音の無い世界になった。


「教えてよ。ユウちゃ……」


「黙れっ」


「っ!!」


「――ちゃんと、教えてやるから」


欲情でもなく、哀れみでもなく。


その声は、ユウちゃんは、あたしのことを見通してた。
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