つぼみ、ほころぶ
「いつの間にか慣れちゃったたくさんのキスは、あたしたちにとって日常になちゃった」
「……日常への取り入れ方が間違ってんじゃねえか? って、過去に意見はやめといてやる。今は」
「ありがと」
――うん。でもユウちゃんの言う通りだ。
だから、今こうなってるんだから。
日常となったものは、どうしても、刺激としては物足りなくなる。
だからなのか、それとも、ほんとにあたしを好きでいてくれたのかは、もう分からないけど。
「身体に触られるようになって、応えようともしたけど……でも、気持ち悪いって、思っちゃった」
好きだった。未知に対する不安だけだったのかもしれない。
……でも、どうしても無理だった。