光る風に吹かれて
ハジマリノカゼ
〜7年前〜



海の見える田舎町

私達はその頃まだ10歳だった

その世代の子では流行ったのが



オトナの事をマネする


何故流行ったのかもわからない


でもとても楽しかったのを覚えている


あの約束があったのは夏休みの事だった

君は揺れる木の影でこう言った



「なぁ…俺と結婚しよう…?」


私は君が大好きだった

でもなんでだろう…君の笑顔は思い出せるのに顔や名前は思い出せないんだ…


『キミハダレ?』


ここでいつも視界が白くなる



最後には君が光る風の中で笑っていた


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