シークレットプリンセス〜芦川凪編〜
「ちょっと!
凪!
ゆめはここのホテルからいなくなるってこと?!」
「そうだ。
ゆめを帰るべき場所に帰すだけだ。」
チェンリーの質問に
芦川さんは淡々と答える。
「そんな…。」
「まぁまぁ。
チェンリー。
ゆめちゃんがいなくても俺が相手してやるよ。」
「嫌よ!
ゆめがいい!」
軽く隆弘さんがショックを受けている。
私はただボー然といるだけ。
空いた口が塞がらないとは
こういうことか…。
私は
芦川さんと皆にお礼だけ告げて
私の暮らしの一部となっていたホテルを去った。
また
何気ない日常が私を待っている。