ため息をついた日
(私たちは一緒にいると良くないのかな?お互いの為にならない?もしそうなら、別れた方が良いのかも…。)

優愛はミルクティーの入ったカップを両手で握りしめた。熱いものが苦手な優愛には触れないほどアツアツだったカップも、もうずいぶん冷めてしまっている。

一口ミルクティーを飲む。今日、何度目か分からないため息をついた。
(追いかけてきてもくれなかったし。ここならもしかして分かってくれるかもと思ったけど、来ないし。)

優愛はミルクティーを飲み干し、席を立った。

「ありがとうございました。またいらしてください。」
先程の店員が爽やかな笑顔で言う。
営業スマイルだろうけど、他人にもそんな笑顔ができる彼がとても眩しく見えた。

「ごちそうさまでした。美味しかったです。」
それだけ言うと優愛はカフェを出た。

相変わらず、外は冷たい風が吹いていた。
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