恋のためらい~S系同期に誘惑されて~
「……まっ、頭の中がそうなってる奴に何言っても無駄だしな」
「頭がそうなってるて何?」
「自分のことで一杯になってる、めでたい奴ってことだよ。大体グダグダ言われたくねぇなら、そんな腑抜けた顔してんな、目障りだ。今やってる仕事だって、1月エンドの納期なんだから、後で徹夜したくなかったら午後は気ぃ入れて仕事しろってーの」
笹山は手の中の煙草を1本銜えると、自分の席には戻らず部屋を出て行った。
それも、完璧な不機嫌モードで。
……訳判んない暴言吐かれたわ。
心配してくれたんだよね、少なくとも途中までは。
水滴のついた紙パックの野菜ジュースに、そっとストローを刺した。