恋のためらい~S系同期に誘惑されて~
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「タマ、そろそろ、お前も物件持てよ。もう1年半も先輩達の仕事見てきたんだし」
「はぁ、何言ってんの?」
彼と別れてから1ヶ月経っても、心がリングドーナツの私に突如、笹山が言い出した。
気乗りしないままの打ち込み作業は、通常の業務時間内に終わる筈もなくて、ダラダラと仕事をこなす毎日。
一人暮らしの家に帰ると落ち込みが酷くなる気がして、早紀と飲まない日は無駄に残業を増やしていた。
「俺の仕事、1本お前に分けてやるよ。その代り、仕様書作るのも打ち合わせもお前がメインでやって」
「上司でもないのに?勝手に決めないで」
この男は、同期のくせに何本仕事抱えてるのよ。
って、言っても何と言うか、要は土壌が違うんだよね。
同じ部に配属されても、私は未だにアシスタントだし。
クライアントとの打ち合わせに連れて行って貰っても、結局は一言も声を発することもなく書記状態。
こんな私が出来る訳ないじゃない!!
「なんだよ、タマ。出来ねーのかよ。まぁ男にフラレて低空飛行中の玉井さんじゃ無理かぁ」
……なんでそんなこと知ってるのよ?
「モラハラ?!パワハラ?!」
「お前馬鹿?」
笹山は、フッと小さく息を吐いた。
「タマ、そろそろ、お前も物件持てよ。もう1年半も先輩達の仕事見てきたんだし」
「はぁ、何言ってんの?」
彼と別れてから1ヶ月経っても、心がリングドーナツの私に突如、笹山が言い出した。
気乗りしないままの打ち込み作業は、通常の業務時間内に終わる筈もなくて、ダラダラと仕事をこなす毎日。
一人暮らしの家に帰ると落ち込みが酷くなる気がして、早紀と飲まない日は無駄に残業を増やしていた。
「俺の仕事、1本お前に分けてやるよ。その代り、仕様書作るのも打ち合わせもお前がメインでやって」
「上司でもないのに?勝手に決めないで」
この男は、同期のくせに何本仕事抱えてるのよ。
って、言っても何と言うか、要は土壌が違うんだよね。
同じ部に配属されても、私は未だにアシスタントだし。
クライアントとの打ち合わせに連れて行って貰っても、結局は一言も声を発することもなく書記状態。
こんな私が出来る訳ないじゃない!!
「なんだよ、タマ。出来ねーのかよ。まぁ男にフラレて低空飛行中の玉井さんじゃ無理かぁ」
……なんでそんなこと知ってるのよ?
「モラハラ?!パワハラ?!」
「お前馬鹿?」
笹山は、フッと小さく息を吐いた。