恋のためらい~S系同期に誘惑されて~
……笹山には、一緒にいるべき相手がいる。
お酒も飲んで無い。
クリスマスだからってヤドリギの下でキスする習慣も無い。
っていうか、ヤドリギすらないのに。
何の言い訳も思い付かない。
ぐちゃぐちゃな頭の中。
笹山、本当に最悪だよ。
そして、そのキスに感じた私も最悪。
「……私、行くところあるから。お疲れっ」
私は電話中の笹山の背中に言葉を投げ付け、脱兎のごとく反対方向へ駆け出した。