恋のためらい~S系同期に誘惑されて~
6.過酷なクリスマス
私は重い足取りで、帰ってきた部屋の電気を付ける。
手に持っていたケーキの箱をローテーブルに置くと、私の定位置であるモスグリーンの2人掛用ソファに突っ伏した。
もう、何やってるんだろ、私。
ケーキを渡してくれた先輩の目は、明らかに心配してくれていた。
でも、まさか一緒に食べる筈だった男にはフラれ、仲の良い大事な仲間と慕っていた男には洒落にならない様なキスをされ、なんて言える訳もなく。
仕事の疲れだからと適当に誤魔化して、お金を置いてさっさと帰ってきてしまった。
年を越せばすぐ27になる女が、何してるの……。
クリスマスケーキの箱を開ける気にもなれず、天井を見上げる。
う、泣きそう。
胸の中に広がる何とも言えない切なさ。
たかだか1回のキスで、こんなに慌てている自分が恨めしい。
動揺、衝撃……。
自分の中に当てはまる言葉を探してみる。
一週間前まで、永井さんとのクリスマスを予想して浮足立っていた私が、笹山とのキスに心を乱されるなんて、誰が予想出来る?
手に持っていたケーキの箱をローテーブルに置くと、私の定位置であるモスグリーンの2人掛用ソファに突っ伏した。
もう、何やってるんだろ、私。
ケーキを渡してくれた先輩の目は、明らかに心配してくれていた。
でも、まさか一緒に食べる筈だった男にはフラれ、仲の良い大事な仲間と慕っていた男には洒落にならない様なキスをされ、なんて言える訳もなく。
仕事の疲れだからと適当に誤魔化して、お金を置いてさっさと帰ってきてしまった。
年を越せばすぐ27になる女が、何してるの……。
クリスマスケーキの箱を開ける気にもなれず、天井を見上げる。
う、泣きそう。
胸の中に広がる何とも言えない切なさ。
たかだか1回のキスで、こんなに慌てている自分が恨めしい。
動揺、衝撃……。
自分の中に当てはまる言葉を探してみる。
一週間前まで、永井さんとのクリスマスを予想して浮足立っていた私が、笹山とのキスに心を乱されるなんて、誰が予想出来る?