恋のためらい~S系同期に誘惑されて~
自分の鼓動が大きく聞こえてきて、もうダメッと意識が薄くなるすんでのところで、ようやく唇が離れた。
ぼぁっとしている耳の奥に、笹山の小さな笑い声が届く。
私がそっと目を開けると、もう一度抱きしめられた。
「お前ドキドキし過ぎなんだよ。俺にも移るじゃねぇか」
「……心臓壊れる」
「まだ壊れて貰っちゃ困るんだけど。全然足りねぇし」
「ちょっとは手加減して。……お酒の所為か笹山の所為か分んないないけど、頭がクラクラする」
「嬉し過ぎてヤバいから無理だな」
そう言いながら、笹山の唇は首筋を弄んだ。
……ヤバいって、私の方だよ。
身体の奥のジリジリする感覚に翻弄されそうになる。
「んっ」
溜息のような吐息が漏れた時、すかさず笹山の唇が私の唇を求めてきた。
溺れるような口付けに文字通り溺れて、私と笹山はモフモフしたラグの上で転がるように愛し合った。