私のファーストキスもらって下さい。
ほろ苦バレンタイン
こうして私の初恋は、
実らない恋として始まった。
こっそりと気持ちを隠して。
私が誠二くんを好きだと自覚したところで
関係が変わるわけがなく…
妹の友達から脱出できずにいる。
「あ、おかえり。鈴ちゃん、いらっしゃい。」
「お邪魔しまーす。」
中3になった私は、恋をしていられる身分ではなくなった。
そう、受験。
対する誠二くんも大学卒業の年、就活に励んでいた。
だから、昔と変わらない関係。
変わったところを強いて言うなら、
「あれ?鈴ちゃん、髪切った?可愛いね。」
誠二くんの言動にドキドキさせられっぱなし
ということかな。
誠二くんって、何気なく言うから…
ホントに心臓持たないよ。
ドキドキしすぎて苦しい。