私のファーストキスもらって下さい。
そして、えみに聞かれてしまった。
「でさ、好きな人って誰?
私、全然知らなかったんだけど。」
全く検討つかないって顔のえみ。
そうだよ。だって、私ずっとコッソリ片想いさしてたもん。
親友のえみにずっと隠してさ。
「マル?成瀬?」
クラスの男子の名前を一通り言っていくえみに対して私は違うよー。と答えつつ、打ち明けようと胸に誓う。
でも、でも、えみ困っちゃうよ。
どうしよ…、言わない方がいいのかな。。
「もしかして、拓さん…っ!?
鈴、拓さんをそんな目で見てたのっ!?」
私がいつまでも言おうか言うまいか迷っている間にも、えみの推理と想像はあらぬ方向へと向かっていた。
えみは今までも私のすぐ近くにいてくれた。
もちろん、これからもずっとずっと親友でいてもらうつもり。
だから…
「………クンっ。。」
「何?」
聞こえなかったえみに今度はちゃんとハッキリと聞こえるように伝えた。
「私の好きな人……………誠二くんなのっ。。」
ずっと言えなかった私の好きな人。
誠二くんだよ。
えみの優しいお兄ちゃん、誠二くんだよ。
やっと伝えることができた。
それだけでホッとしてしまった私。