私のファーストキスもらって下さい。




そんなこんなで、やっとえみに本当のことを伝えることが出来た。



その日の夜は、2人で恋バナして夜更かしをした。




「何かさぁ、私は鈴とお兄ちゃんがくっついてくれるとすごい嬉しいな。」



「何で?だって、誠二くんには早紀さんがいるんだよ?あんなに美人で大人の彼女がさ。」




「うん。そうなんだけどね。でも、何か違う気がするんだよね。」




「違う?」




「お兄ちゃんの隣にいる人。」




えみはそうハッキリと言った。



えみは、私が誠二くんの隣にいていいの?



そうなれたら…いいなぁ。




誠二くんが早紀さんと出会うずっと前から、
私は誠二くんの近くにいた。



それでも、誠二くんの隣には今、早紀さんがいる。



出会ったのが先とか後とか関係ないんだよね。



あーあ。




「片想いの年の差って、
何でこんなにつらいんだろー。」



「だよね。でも仕方ないよ…
好きになっちゃったんだもん。」




えみが言う。


思わず2人で顔を見合わせた。




「あはっ。好きはどうしよーもないもんね。」




我慢できずに笑った。



そうだよ、片想い。



好きになっちゃったんだもんね。



えみは、高原さんを。



私は、誠二くんを。




今だから分かる。




好きはやめられない。



本当に好きになったら、
そう簡単には気持ちは変えられない。




「お互い、この恋頑張ろーね。」



「うん。」




好きがやめられないなら、頑張るしかない。



ズルいかもしれないけど、私だって誠二くんの傍にいたい。



妹のような存在としてじゃなくて、



…恋人として。




それが叶うか、叶わないかは分かんないけど、
今は全力でこの恋に走りたい。





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