私のファーストキスもらって下さい。
朝、誠二くんにおはようが言えた日には、
1日中ハッピーな気分でいられる。
でも、朝帰りした誠二くんを見かけちゃった日には1日中ずっと沈んだ気持ちのまんま。
受験生って肩書きだけで、何だか息苦しいけど
好きな人を想うとちょっとだけ楽になる気がするんだ。
私が受験するのは、やっぱり親友のえみと一緒の高校。
だって、離れたくないんだもん。
それに、その高校は誠二くんの母校だったりする。
「えみ、絶対合格しようね!」
「うん。あそこに通うようになったら、毎日
『すいーと』に行ける!」
「あはは。そーだねー。」
えみの言う『すいーと』っていうのが、私達がよく行く甘味やさんのこと。
理由はそれぞれだけど、絶対合格してやるんだから。
恋のパワーで受験なんかなんのそのだぁ!
って、片想いなんだけどね。