私のファーストキスもらって下さい。
「うぅ。。どうしよ。部屋に来ちゃったよ…
え、待って…もしかして、2人きり?
いやいやもしかしなくても、そうだよ~。。」
小さなガラステーブルの前に座り込んで、
1人プチパニック。
だって、誠二くんと部屋で2人きりだよっ?
心臓もたないかも…。
「汗…クサくないかな私。」
「鈴ちゃん?何パタパタしてんの?」
キャーーッ。。
脇パタパタしてたら、いつの間にか誠二くんが部屋に来てた。
慌ててぷるぷると頭を横にふると、誠二くんは不思議そうに笑って私の隣に座った。
テーブルにはアイスティーとクリームたっぷりのシュークリーム。
ドキドキしまくっていた私は目の前の大好物に一気に集中した。
「フッ…目がキラッキラだな。
鈴ちゃん小さい時からシュークリーム大好きだったもんなぁ。」
「う、うん。」
うわっ。恥ずかしっ。
というか、また子ども扱いっ…!
覚えててくれたことが嬉しい半面、また子ども扱いされた気がしてショック。
ちょっとムッとしながら、それでもシュークリームにぱくっとかぶりついた。
すると、隣にいた誠二くんは思い出したように立ち上がるとラックにあったCDを手に取って、また私の隣に座った。
ふわっとあの香水の香りが鼻をかすめる。
それにドキッとする。
「これ、CDありがとね。初回盤、予約し忘れてて、落ち込んでたんだよなぁ。ほんと、サンキューでした。」
そう言って、ペコッとお辞儀した誠二くん。
「ふふ。どういたしまして。」
「鈴ちゃん、どの曲オススメ?
俺的には8番、12番あたりかな。」
わっ!
「私もね、8番っ。あの曲のサビが…………」
オススメ曲が一緒だったことにテンションの上がった私が、嬉しくて喋りだした途端に…
隣からスッと手が伸びてきて、私の口元に触れた。
はい。一時停止。
な、何っ?
「はは、クリームついてる。」
そう優しく笑って、クリームを指で拭い取ってくれた。
そのままクリームのついた指先をペロッと舐めてしまった誠二くん。
もう、私頭から湯気出そうです。