私のファーストキスもらって下さい。
好き…その距離3センチ
「誠二くん…好きだよ。
ずっとずっと前から、好き…。」
きっと言えないと思っていたこの言葉を伝えてしまった。
夢じゃない。
少し触れた指先の体温と、感触がそう教えてくれた。
こんなに胸がはち切れそうにいっぱいになったのなんて、初めて。
その戸惑った表情を見ちゃったら、もっといっぱいいっぱいになっちゃうよ。
暫く、沈黙が流れた。
「ご、ごめんね。いきなり言われてもホント困るよね。ずっと黙ってるつもりだったのに…
わ、忘れていいよっ。あのっ…。。(泣)」
その沈黙に耐えきれなくて、先手をきった私だった。
だけど、何故か涙が出て…
泣いちゃだめなのに。
泣いたら、誠二くん余計に困っちゃうのに…
ほら、涙でぼやけてよく分かんないけど、誠二くん困った顔してる…
「やっぱり、今の…なしっ…ッ…(泣)」
バカバカバカ。。
余計に泣いてどうすんのっ。
ーーーーーーーグィッ…
えっ…
一瞬何が起こったのか分からなかった。
ーーーーーーーーギュッ。
あれ?おかしいなぁ…
まさか、そんな…ねぇ?
「聞かなかったことになんか、そんなの
出来るわけないだろ?」
耳元で聞こえる優しい声。
「あーも…鈴ちゃん、泣くなよ。」
頭を撫でる優しくて大きな手のひら。
ピタッと涙が止まる。
そりゃそうだよ。
だって、だって
私、誠二くんに抱き締められてるっ。