私のファーストキスもらって下さい。
心臓ばくばく。
夢、じゃないよね。
だって、この抱き締められてるこの腕の感触。
優しい頭を撫でる手のひらの温もり。
想像でしかなかった誠二くんの腕の中。
せっかく涙が止まったはずなのに、また泣けてきた。
「せ、…ぃじくっ。」
「鈴ちゃん、泣くなよ…
とりあえず、落ち着こう。なっ?」
「だって、…誠二くんがっ、抱き締めたりするからぁ。。」
私がそう言うと、誠二くんはそっと腕の力を緩めて離れる。
あ…
ちょっと寂しいって感じた。
誠二くんは、そのまま私の顔を覗き込んだ。
「み、見ないでっ…今すごい、顔…」
「鈴ちゃんの泣き顔、可愛いよ。」
キュン…ーーーーーーー
「誠二くんのバカ。
可愛いとか、簡単に言っちゃダメだよっ。」
「何で?」
「な、何でって…」
キュンキュンして苦しいんだよ。
「そう思うんだから、仕方ないだろ?」
「///////」
そう意地悪な笑みで言う誠二くんは、
やっぱりずるい。
「鈴ちゃん、その…いつから?」
今度はちょっと照れたような顔。
好きって言っちゃったから、もう今さら隠す理由もないよね。
「中2くらいかな…」
「え、そんなに前から…」
思ってた以上だったのか、誠二くんは“まじか…そんな前から…全然気づかなかった…俺…はぁ”なんて頭を抱えてしまった。