私のファーストキスもらって下さい。




ーーーーーーーー




「こんな事になってたなんて。」




「私も。まさか、こんな事になるなんて…」




ミルクティーを飲みながら、私はため息混じりにそう呟いた。




「何でこんなことになっちゃったの?」




「えっと…」




まさか私が誠二くんに“キスしてほしい”ってお願いしたなんて、さすがにえみにも言えない。



私は曖昧な感じでえみに経緯を説明した。



えみはあまり詳しく聞かないでくれた。



やっぱりえみは優しい。




「早紀さん、怖かったなぁ。」



「…うん。」



「鈴、よく泣かなかったね。」



「だって、バカにされたくなかったし。」




怖かったけど、あそこで泣いてたら自分は子供ですって言ってるようなものだもん。



それに早紀さん相手に泣いたってどうにもならないこと位分かってるよ。




「もう、お兄ちゃんに鈴は勿体ないよ。」



「えみぃ…(泣)」




もーえみ、あんまり優しくしないでよ。
泣いちゃうじゃん。




「えみだって、晴香ちゃんに負けてないよ!」



「え、いやーそんなぁ。」




晴香ちゃんていうのは、えみの恋のライバル。
ついさっきもバッタリ会って嫌みを言われたらしい。


でもでも、高原さんがえみのこと庇って助けてくれたんだって。むふふ…





「ちょっと、何で鈴がそんなニヤケるのっ。」



「だってぇ、むふふ。」





えみが可愛くてしょうがないからだよー。




それからえみと沢山恋バナした。




あと、




「お互い、この恋頑張ろうね。」





そう誓って笑いあった。




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