私のファーストキスもらって下さい。
ーーーーー……
「それで~?私達の可愛い鈴ちゃんをいじめる女っていうのは、どこのどいつよ。
私が一発ガツーンと言ってあげるわ。」
ロッカールームで着替え中、下着姿のままそんな風に私を励ましてくれる瑠美さん。
胸、おっきくていいな…。
羨ましい。。
さりげなく自分の胸を見つめ、ため息をつく。
「鈴ちゃんの王子は、確か孝幸と一緒の会社だったよね。」
「あ、はい。…彼女さんも。」
隣で着替える抜群のプロポーションの瞳さんが話を振る。
自分の体型が恥ずかしくなってそそくさと着替えを済ませながら、瞳さんの問いに答えた。
孝幸(タカユキ)さんっていうのは、瞳さんとラブラブな彼氏さん…あ、もう婚約してるからフィアンセってやつだよね。
その孝幸さんの勤める会社が、偶然にも誠二くんと同じ会社なのです。
というか、その会社の社長さんが孝幸さんのお父さんの会社らしい。
ということは、孝幸は次期社長?
瞳さんの彼氏さん、すごすぎる。
「そうだ、鈴ちゃんこの後ご飯でもどう?」
着替え終わった瞳さんは、とびっきりキュートな笑顔で私を見つめた。
瞳さん、可愛いすぎますよ。
思わずキュンとして瞳さんに抱きつく。
「瞳さんっ、可愛いっ!!」
「鈴ちゃんだって、可愛いっ!」
「あ、ズルいわね!私もっ!」
抱き締め合う私と瞳さんに、瑠美さんまで抱きつき、ロッカールームではしゃいでいた。
そんな流れで私は瞳さん達とご飯を食べることになった。
瑠美さんはユーさんが“拗ねるから”と、私達と別れて帰ったいった。
それから、瞳さんの彼氏さん…孝幸さんの会社まで迎えに行った。
会社はカフェから歩いてそう遠くない距離にあった。
「わぁ…大きい。。」
大きな何階建てか分からないくらいのビルを見上げて、私は立ち尽くしていた。
「鈴ちゃん、王子の会社に来たの初めて?」
「は、はいっ。」
「えっ、何で?」
「何で?
…え、だってここに来る理由もないですし…」
彼女でもないのに、そんな会社まで会いに来る理由なんて…
それに…
「明らかに私みたいな高校生が来るような場所じゃ…」
ぶつぶつと呟いていると、隣でそんな私の様子を見ていた瞳さんが突然私の手を引いて歩き始めた。
え、え、瞳さんっ??
ビックリしている間に気づけば、すでにビルの中に足を踏み入れていた。