私のファーストキスもらって下さい。
「あ、君は確か…」
「ふふ、店長の姪っこちゃん。
お店で会ったよね~。」
「あ、はい。」
私を覚えてくれていた孝幸さんは、すごく親しみやすい笑顔で笑いかけてくれた。
あ、何かちょっと瞳さんに似てる!
お似合いの恋人同士だなぁ。
それから改めて紹介してもらってビックリ!
あのダンディーな紳士はここの会社の社長さんだったみたい!
『ほんと変態オヤジがごめんね。』と、
孝幸さんは困った顔をしていた。
ちょっと変わった人だったけど、すごく優しそうな人だった。
誠二くんは、あんなに優しくて面白い社長さんの会社で働いてるんだね。
「鈴ちゃんの王子、この会社にいるんだよ。」
「瞳さんっ、恥ずかしいからその王子ってやめてください~。。」
「だって、そうでしょ?」
「う…」
誠二くんは、私の王子様…
否定はできないけど、でも恥ずかしいっ。
「あ、そうだ。」
恥ずかしくて赤くなる私の隣で恋するセンパイ、瞳さんはひらめいた声をあげた。
瞳さんは隣の孝幸さんに背伸びして、何かを耳打ちすると…今度は二人していたずらっ子みたいな笑顔で私を見た。
なんだか、嫌な予感…
そう感じる私は言われるがまま、会社のエレベーターへ乗せられある場所へ連れていかれた。
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