私のファーストキスもらって下さい。
期待…していいの?
ひゃあー、まさか本当に会社まで入っちゃうなんて思ってもみなかったなぁ。
瞳さんって、天然な感じなのに結構積極的?
それにしても、瞳さんと孝幸さんってホントにラブラブだったなぁ。
年の差なんて感じさせないくらい。
前に聞いたことあったんだけど、瞳さんと孝幸さんも小さい頃から幼なじみだったんだって。
私と誠二くんの関係とおんなじ。
いいなぁ、二人みたいになれたら…
って、ダメダメ。期待膨らませてどうすんの!
でも、さっき帰り際…
「あ、鈴ちゃん。」
優しく微笑む孝幸に呼び止められ、何だろうって思ってると、孝幸さんは私の耳元でコソッと…
『王子は、可愛い鈴ちゃんが心配でしょうがないみたいだね。あんまり、スカート短いと拗ねちゃうよ。ーーーー』
孝幸さんまで王子って呼ぶしっ!///////
それに、誠二くんそんな話孝幸さんとしたの?
確かに、誠二くんにはたまに
「鈴ちゃん、スカート短いべ。」って
お説教されちゃうけど…
す、拗ねちゃうって…。
と、スカートの裾を引っ張ってみたりしながら家までの帰り道を歩いていると…
ん、何だろ。
隣から視線を感じる。
隣を見上げると、やっぱり誠二くんが私を見ていて…その視線はしっかり交わった。
「あのさ、鈴ちゃん…」
誠二くんが立ち止まる。
私もつられて立ち止まる。
「誠二くん?」
どうしたのかな、急に。
不思議に思って声をかけた時…
グイッ…
そんなには狭くないけど、道路の車が通る方を歩いていた私の腕を誠二くんが引き寄せた。
そして車が横を通り過ぎていく。
何だ、車かぁ。
急に立ち止まるから、何かと思っちゃ…………
ーーーーートンッ。。
えっ?
あっと思った時には、私は誠二くんと歩道脇の壁に挟まれていた。
い、いわゆる壁ドンってやつだ。
漫画では最近よく見て、ホントにドキドキするの?なんて思ってたけど…
実際…ドキドキが止まらないよぉ。。