私のファーストキスもらって下さい。
「あれ?鈴ちゃーん。」
固まってしまった私の目の前で手を振り、呼びかける誠二くん。
「ファーストキス、もらうってゆったべ?」
「いっ、言ったけどっ…でも、だってその…
心の準備が。。」
慌てだす私を見て、誠二くんはクスッと笑うと…
「もう後ろめたいものもないし…
待てませんよ?俺。」
「え………」
グッと顔を寄せると、誠二くんはそう甘く囁いてそっと…私の唇を指先で触れた。
あれだけ夢に見てた誠二くんとのファーストキスなのに、いざその時が来ると未知のドキドキ感が私を襲って邪魔をする。
ばか。
恥ずかしがってどうする!
誠二くんとのファーストキスがすぐそこまで来てるんだよ!
よし、うん。
「ふ、ふつつか者ですが…私のキス、も、貰ってくださいっ///////」
って、何変なこと言ってるんだろ私っ。
「フフッ、こちらこそ。
ふつつか者ですが、頂きます。」
優しく微笑むと、ゆっくりと誠二くんの顔が近づいてきた。
そっと目を閉じる。。
ついに…………………
「ただいまー!」
玄関からえみの大きな声が聞こえてきた。
目を開けるとそこには、苦笑いの誠二くん。
「もうちょっと、お預けか。」
「//////」
そう、みたいです。。