私のファーストキスもらって下さい。
月明かりに甘いキスを…
結局、えみんちにお泊まりしちゃった私。
次の日朝起きて顔を洗いに行くと…
「あ、おはよ、鈴ちゃん。」
「おはよ、誠二くん。」
お髭を剃ってる誠二くんとばったり。
わぁ…やっぱり大人だよね。
というか、何で誠二くんはする事全部かっこ良く見えちゃうのかな。
お父さんがお髭剃ってても、“おじさんだなぁ”って思うだけなのに。
「ん、顔洗いたいよな。
ごめん、ちょっと待って。」
「あ、いいよ。ゆっくりで…」
急いでシェーバーを動かす誠二くんに慌てて声をかける。
急いで切っちゃったりしたら危ないし、それにもうちょっとその姿見つめてたいから…/////
泡を落として、最後にクリームを塗るところまでジーっと観察するように見つめていると…
鏡越しに誠二くんと目が合っちゃった。
フッと笑うと…
「そんなに見つめられると、恥ずかしいよ。」
「あ、ごめんねっ。かっこ良くてつい……」
つい本音をポロっと溢した私に、今度は振り向いて困ったように笑った誠二くん。
「はぁ。鈴ちゃん、朝からそんな可愛い事ばっかり言ってると…」
ーーーーーギュッ。
腰を密着するように引き寄せられ、おでことおでこをコツン。
キャーーーーーー///////
朝から刺激が強すぎるよ、誠二くんっ!!
完全にゆでダコ状態の私。
「キス、したくなっちゃうだろ?」
プシュー。。
絶対、頭から湯気でたよ今。
そんな私に、誠二くんの整った顔が近づいてきて……
「ちょっと、お兄ちゃ~ん!
新しいマーガリンどこよ~??」
キッチンの方から聞こえてきたえみの声。
「ったく、アイツは。
どんな焦らしプレイだよ…。」
誠二くんがそんな文句をボソッと呟いて、洗面所を出ていった。
私は…
「朝から心臓、壊れちゃったかと思った…」
暫く、落ち着くまで動けなかったのでした。