私のファーストキスもらって下さい。





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そして放課後、例の1年生の女の子と話に行ったえみを見送って私は教室で帰りを待ってた。




暫くして、教室へと戻ってきたえみは気が緩んで泣いてしまった。




久々に親友の泣く姿を見て、私はぎゅっとえみを抱き締めた。




えみは沢山泣いた。
日が暮れて…家へと帰る時にはうっすらお月さまも見えていた。





「ふぁ~泣いた~。」



「えみ、明日気を付けなきゃ~。
目腫れちゃうよ。」




「うわぁー、余計にブサイクになっちゃいますよー!!」




隣を歩くえみが泣き晴らした顔で困った顔をした。



でも、良かった。
泣いてスッキリした顔してる。



ライバルなんかに負けないでね!えみ!



心の中で応援していると、いつの間にかえみん家の前まで来ていた。




「今日は遅くなっちゃってほんと、ごめん。」




「いいよー。えみの為ならいつまででも付き合ってあげるよ!」




可愛い②えみの為ならね!


すると、えみは私を抱き締め…というか顔から頭から撫で回し…




「鈴~好きだぁ~。」



「も~えみっ。撫で回し過ぎ!
じゃあ、また明日ね!」




優しくえみをひっぺがすと、私はそのまま手を振って歩き出そうとした。



すると、えみが“ちょっと待ってて”と言い残して家へと飛んで入っていった。




どしたの??



きっとものすごい勢いで階段を上ったんだろう…すごい音がしていた。



もう、えみってば。
また誠二くんに怒られちゃうからね。




はぁ、誠二くんに会いたいなぁ。




心の中で小さくため息をついていると…






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