私のファーストキスもらって下さい。
「おい、えみ。何だよ……って、鈴ちゃん?」
「せ、誠二くんっ??」
再び戻ってきたえみの隣には誠二くんが。
ど、どうして??
テンパる私にえみは…
「お兄ちゃん、鈴送ってってあげて。
私のせいで暗くなっちゃったから。」
そう言って私の前に誠二くんの背中を押す。
ずいっと押された誠二くんは、何だか不思議そうな顔をしたけど、でもすぐに…
「ん。鈴ちゃん、送ってくよ。」
「え、あ、うんっ。。」
そう笑顔で言うと、な、なんと私の手を握って歩き出した。
慌てて歩き出した私は、えみを振り返ると…
「泣いちゃったお詫びだから~。」
なんて言ってウインクした。
うぅ~。。
何かえみに気使われると恥ずかしいよ~。
でも…ありがと。
ちょっと前を私の手を握って歩く、誠二くんの背中を少し赤くなりながら…見上げた。
ーーーーーーーーー………
「……」
「……」
えみん家から私の家はそんなに離れてない。
その道のりを二人ともゆっくりと歩いていた。
二人とも何も話さない。
でも、その沈黙も何だか心地がいい。
暫くそうして歩いていると、たまに二人で会って話していた小さな公園の前を通りかかった。
夕飯時だから誰もいない。
「…あ、あの…
「ちょっと寄り道してい?」
思わずビックリして、誠二くんを見上げた。
「やだ?」
そんな私の顔を見て、そんな風に聞いた誠二くんに私は必死に顔を横に振った。
嫌なわけないじゃん。
だって、私も今…同じこと言おうとしたんだから。
以心伝心…///////?
「ベンチ座ろ。」
「うん。」
街灯の下にある木のベンチに二人で並んで座った。