私のファーストキスもらって下さい。
何をプレゼントしようかまだ決まってないから、とりあえず何でもありそうなショッピングモールへ。
「おうおう、カップルだらけ。」
「拓さん、僻まない②。」
横を歩く拓さんはポケットに手を突っ込んで、
“全くイチャこくなら家でやれ。”なんてブツブツ言っていた。
中学生の私が言ってもあれだけど、拓さんもパッと見はイケメンに入ると思うんだけどなぁ。
背だって高いし、筋肉ムキムキだし、顔はちょっと濃いめだけど、優しい目してるし。
熱い性格のせいなのかな、イケメン度がちょっと半減してるんだよね。
「何だ?そんなに俺がカッコイイか?」
ジッとみていたのに気づいて、拓さんが変な勘違いをする…それを無視して私は、近くの雑貨屋さんで立ち止まる。
「んで、何あげるか決めたか?」
「ううん。悩み中。」
「あんま悩まず、無難でいいんじゃねーか?」
無難…そんなこと言われても…
あ、そうだ。
「拓さんだったら、何を貰ったら嬉しい?」
「愛。」
「………」
「引くな。冗談だよ。」
拓さんはん~と悩むと、たまたま目に入ったゴリラのぬいぐるみを手に取りながら私にはこう言った。
「俺の意見聞いても、なんも意味ねーだろ?
誠二にやるんだから。」
「そーだけど、参考に。」
だって、分かんないんだもん。
お父さんお母さん以外にプレゼントなんてあげたことないんだもん。
大人の男の人になんて、初めてだから…
「お前だったら、あいつ何でも喜んでくれんじゃないか?」
「…………/////」
た、拓さんっ。
何でそんな嬉しいこと言ってくれるのっ。。
思わず、嬉しい恥ずかしいで、照れてしまった。きっと、顔が赤い…。
「照れてないで、ちゃんと選べ~。」
「拓さん、ほんとにいい人。」
何で彼女できないんだろう。
不思議だよ。
「俺に惚れんなよ!」
惚れないよーだ。
私、誠二くんしか好きじゃないから。