私のファーストキスもらって下さい。
夜、勉強しながらふと、今日拓さんの言った。言葉を思い出した。
“お前は誠二の特別な距離にいるんだから”
特別な距離。…確かに。
家族じゃない。妹でもなければ、恋人でもない。
でも、全く他人の距離でもない。
「この距離が難しいんだよなぁ…」
私は呟きながら、また勉強へと意識を戻した。
とにかく、今は受験勉強を優先。
恋だってちゃんとしたいけど、
今はちょっと休憩。
誠二くんだって、あんなに応援してくれてるんだからしっかり頑張んなきゃ。
気持ちを切り替えて、
私は参考書へ向き直った。