私のファーストキスもらって下さい。




「勉強しないとなのに、ごめんね。
付き合ってもらっちゃって。」



「ううん。追い込み前に息抜きできて、嬉しかった。誠二くんこそ、早紀さんじゃなくてごめんね。」



「なに言ってんの。楽しかったよ。」



私の家まで送ってくれた誠二くんは、そう言いながら私の頭をポンポンと撫でた。


誠二くんの温かいおっきな手を感じながら、
ドキドキ。


あ、そうだ。



「あ、誠二くん。ちょっと待ってて。」



私は一言そう伝えると、急いで家の中へ。
自分の部屋へとかけ上がると、あの紙袋を手にまた急いで階段を下りた。


そう、ずっと渡せなかったあのプレゼント。


次に会えたら、絶対渡すって決めてたから。


喜んでくれるといいな…


ちょっと緊張しながら、再び玄関のドアを開けた。



「誠二く………」



呼び掛けようとしたけど、誠二くんが電話中なのに気づいて黙った。


誠二くんは、ポケットに手を突っ込んだまま
ちょっと寒そうに電話を耳に当てていた。


そんな立ち姿もカッコいいなぁなんて、
にやけそうになってた私の耳に入ってきた誠二くんの話し声…



「おう、彼氏ほったらかしてパーティー楽しんでるか?」



意地悪にでも、優しい声でそんなことを言う誠二くん。


電話の相手…早紀さんだ。




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