私のファーストキスもらって下さい。
何で
何で私…好きになっちゃったんだろう。
誠二くんが私を恋愛対象としてみてくれることなんて、ないに等しいのに。
第一、誠二くんには早紀さんがいるのに。
あんなにスタイルも良くて、綺麗で、頭のいい彼女さん…嫌いになって別れるなんてあるわけない。
二人が並んでいるところを見るだけで、
胸がぎゅーって苦しくてたまらない。
私が子供なんだって突きつけられて、
ズキッとする。
でも、私に優しい誠二くんが嫌いになれなくて、諦められなくて。
“特別だ”って、言ってくれた誠二くんの言葉が忘れられなくて。
そんな優しい誠二くんが悪い訳じゃない。
だって、誠二くんが私に優しいのは昔からだもん。
好きになっても切ないだけなのに、恋しちゃった私が悪いよ…。
初恋で恋のつらさを知った私。
どうしたらいいのか、
考えた中学生の私が出した答え…
それは……
ずっと片想いでいること。
そして、
離れること。
なるべく会わないようにすること。
子供の私が、大人の早紀さんをライバルにするなんて無謀なこと…私にはできなかったから。
こうするしかないって自分に言い聞かせて、
ただひっそりと誠二くんを想い続ける。
………好きだよ、誠二くん。