私のファーストキスもらって下さい。



学校が終わった私は、1人で街中をぶらぶらと歩いていた。


えみは補習授業。


待ってるよって言ったのに、


「大丈夫②!暗くなっちゃうから。」


って。遠慮しちゃって。
気を使う仲でもないのにね。


そんな訳で私は、何となく家にそのまま帰るのもつまんなくて街をぷらぷらすることに。



「ねぇ、君ひとり?俺らと遊ばない?」



ちょうど、居酒屋とかが並ぶ辺りを歩いてたら声をかけられた。


私の肩に手を置いた若い男の人からは、
ちょっとお酒の匂いがふわぁっと…


もう。まだ夜じゃないのに、お酒飲んでるの?
やだよー。



「あの、私、もう帰るとこなので…」



高校に入ってからこういうお誘いがしょっちゅうあるんだよね。


嫌なのに。


だから、いつもそれだけ言ってすぐその場から逃げるんだ。


案外、私逃げ足は早いみたい。



「ちょーっと待ってよ。いいじゃん。
ガッコ終わったなら、これからじゃん。」



ガッチリ腕を捕まれてしまった。
男の人達は酔っぱらった顔で、じろじろ私を見た。……どうしよ。怖い。



「は、離して下さいっ。」


「ちょ、暴れなくてもそんな大丈夫だよー。とって食ったりなんかしないって。…今はね。」



い、今はね。って言った!?
やだやだ。どうしよっ。。


いつもより数段しつこい誘いに私は、
怖くて怖くて焦った。


誰か助けてっ。



「はい。じゃー、楽しいとこ行きましょー。」



はい。じゃないってば。


私行くなんて言ってないっ。



ずるずると酔っぱらいの人達に、腕を捕まれたまま引かれる……



やっぱりえみ、待っとくんだった…


と、諦めかけたその時。



「俺の妹、どこ連れてくわけ?」



ぐいっと酔っぱらいに掴まれてる腕とは反対の手首を掴まれ引っ張られる。


突然のことに私は訳がわからずされるがまま。


でも…この声…



「誠二くん…」



手を引かれた勢いで
飛び込んでしまった腕の中。


な、なんで誠二くんが?









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