私のファーストキスもらって下さい。
「ごめん。送ってあげたいけど、
まだ会社戻んないといけないから…」
「大丈夫だよひとりで。大変だね…」
「おっと、やば。急いで戻んないと。
じゃあ、鈴ちゃん…ホントに気をつけて帰るんだよ?分かった?」
急いで頷くと、誠二くんはよしよしと頭をポンポンした。
そして、すぐ荷物を山ほど持って行ってしまった。
その後ろ姿を私は、しばらく見つめる。
会っちゃった…
仕方ないよね、
たまたま偶然会っちゃったんだもん。
避けてても会っちゃったのは仕方ないもん。
でも、どうしよ。
離れていた時間なんかなかったみたいに、
誠二くんのことを好きな私がいる。
ううん。
今また会った瞬間、また惚れちゃった…
私の頭の中の待受画面が、大学生の姿の誠二くんから、めちゃめちゃカッコイイスーツ姿の誠二くんに切り替えられちゃった。
やばいよ。すっごいドキドキしてる。
また会いたいよぉ。