私のファーストキスもらって下さい。
「誠二のことを好きででも他のやつと付き合う。それが悪いことではないと思う。だから、」
「だから?」
「存分に悩め。」
はい?それだけ?
「今悩んでて拓さんに相談してるんだけど…」
「だって、俺あーしろこーしろ言えねーもん。
お前が決めろ。」
「んー…」
そうだよね。
結局は自分で決めなきゃいけないんだよね。
わかってる。
わかってるんだけど…
ひたすら、悩んだ私は…
「鈴?どうしたの?」
「なんかね、3年の真木先輩に告られたぁ…
どうしよぉ、えみぃ。」
いつも甘えちゃう親友のえみに電話をしてしまった。
だって、だって、えみはいつも私に元気をくれて、勇気もくれる。
「こら、恋に無縁の私に聞くことかい?」
「だって、えみなら何か言ってくれると思ったからぁ…っっ(泣)。。」
うぅ~…えみにまで見離されたら、私ぃ…
思わず、泣きそうになる。
「泣かない②、話聞くから。」
でも、やっぱりえみは私を見捨てたりなんかしない。
えみは恋に無縁なんて言うけど、そんなの嘘。
私はちゃんと知ってる。
えみの恋。片想いだけど。
だから、えみに恋の相談だってするんだよ。
「鈴はどうしたいの?」
「分かんないだ。…悩んでて。」
「鈴は何を悩んでるの?」
ついに私はえみに恋をしてることを打ち明けることに。
「実はね…私、ずっと好きな人いたんだ。
でも…叶いそうになくてさ。。ここらで諦めるのが妥当なんじゃないか…って…」
諦めるのが妥当…
自分で口に出しながら、悲しくて涙が溢れそうになる。
「他の人に目を向けたら、その人のこと忘れられるんじゃないか…って。」
そんなこと出来っこない。っていう私。
いやいや、男の人は誠二くんだけじゃないんだから、もっといい人いるって。っていう私。