私のファーストキスもらって下さい。
「あ、これ。」
「私、それ持ってますよー。」
本屋さんで真木先輩が手に取ったのは、何座の何月何日生まれごとにそれぞれ性格や運勢が書いてある本。
私は前にえみと一緒に自分のを買って持ってるんだ。
真木先輩は自分のを取って読みだした。
「うわ、ズバリ…」
「先輩って誕生日いつ…」
聞きながら背表紙の日付を見ると…
「えっ!もうすぐじゃないですかっ。」
「あ、あぁ。そういえば確かに。」
ビックリする私とは逆に他人事みたいな真木先輩。
だって、あと1週間後だよ?
すぐだよ。
「お祝いしなきゃですね。」
「祝ってくれるの?」
「お祝いしますよ、
だって誕生日なんですよ?」
「サンキュ。」
「プレゼント何がいいですか?」
隣を見上げると先輩は、んーと考えてから私に甘えた笑顔で…
「吹雪。」
?な顔をした私。
吹雪?雪を降らしてほしいのかな?
先輩は吹き出した。
「フッ…吹雪がくれるもんなら、何でも嬉しいよ。」
「分かりました♪」
ニカッと笑った私を見て、先輩はまた笑った。
その顔が参ったなって顔だったのに鈍感な私は気付かない。
「じゃ、そろそろ帰るか。」
「そうですね。」
ーーーーーーギュッ。
本屋さんから出ると、先輩は私の手を握った。
いきなりだったから、ビックリして思わず
変な声が出ちゃった。
「ひゃっ。…せんぱっ。」
「吹雪と手、繋ぎたくなったから。」
ーーーーーきゅん。。
ほら、また。
「手、ちっさいな。俺の手に全部おさまる。」
なんて言って柔らかく微笑む真木先輩に
またまたきゅん。。
先輩のきゅんきゅん攻撃。
久しぶりのきゅんにちょっと戸惑いながら、
先輩の大きい手を握り返した。
誠二くんが好きなのは変わらない。
でも、真木先輩にきゅんってする。
これって、好きってことなのかな…