私のファーストキスもらって下さい。
片想いと新しい恋に揺れる私だけど、
とってもハッピーな出来事が!!
それはね。
「えみちゃん、いらっしゃい♪」
「こ、こ、こ、こんにちはっ!」
むふふ、えみが恋しちゃってるんだ。
私の大好きなえみが
恋をしてドキドキきゅんきゅんしちゃってる。
すごく可愛いんだ。
その恋しちゃってるお相手は、実は…
「アイツも案外、見る目あるなぁ。」
「拓さんも気づいた?」
拓さんとこっそりその二人の様子を見ながら、ニヤニヤ。
えみに今イチゴクッキーをサービスしている
甘い声と甘い笑顔が素敵なイケメンさん。
高原さんと言って、拓さんの後輩で今最近すいーとで働き始めたパティシエ。
「えみ、めちゃくちゃ可愛い。。」
「おい、ニヤケすぎ。」
「拓さんもじゃん。」
「うるせー。」
私も拓さんも、えみの恋が嬉しくて楽しくてしょうがないんだ。
だって、私達えみ大好きだもん。
高原さんは他の男子と違ってえみを普通に女の子扱いしてくれる。
当たり前のことをちゃんとしてくれる。
でも、無意識にドキドキさせちゃうとこがなぁ。
えみ、ホントに悶えて倒れちゃいそうだもん。
えみはなかなか私に高原さんが好きなんだって言ってくれないけど、私は応援するよ。
そんな親友の不器用な恋にどぎまぎしながら、
夏休みの近い高校生活を過ごしていた。