私のファーストキスもらって下さい。
恋する視線
「いちごミルク美味しかったねー♪」
「だね。バナナシェイクも最高だった!」
誠二くんが連れてきてくれたカフェで、大満足の私とえみ。
「そりゃ良かったな。」
片手ハンドルの誠二くんが赤信号で後ろの席を振り返った。
ーーーーきゅん。
お父さんが振り向いたってどうってことないのに、なんでこんなにカッコいいんだろ。
初めて乗った誠二くんの車は、すごく心地がよくって…運転するカッコいい後ろ姿をじっくり見つめられた。
それから、たまに行くショッピングモールに来た。
そこでえみの明日のデート服を物色。
「えみ、スカート履こうよ!」
「いやいや、無理無理…」
こんな調子だから、私がしっかりコーデしてあげなきゃ。
張り切る私にえみはちょっと苦笑いだったけど遠慮しないもん。
だって、えみの久しぶりの恋だもん。
何だって力になってあげたい。
私に出来ることなんて、大してないんだけど。
「ほら、えみ。あっち見に行こっ。」
「鈴~張り切りすぎ~。」
高原さん、どんなタイプが好きなのかなぁ…
えみを見て、可愛い!って驚かせたい。
「あれ?吹雪?」
「せ、先輩っ?」
「偶然だなー。」
なんと、振り返るとカッコいい私服姿の真木先輩が笑って立っていた。
ホントに偶然…
「佑月と買い物って今朝、言ってたもんな。」
「あ、はい。」
先輩に言われて、朝の電話を思い出して…
“何かちょっと…妬ける”
先輩のヤキモチ発言を思い出す。