私のファーストキスもらって下さい。
「先輩ひと…」
1人で買い物ですか?そう聞こうとした時…
「りく兄ぃ、待ってよっ。。」
「お前が遅いの。」
先輩の後ろから走ってきた女の子は、親しげに先輩に話しかけていた。
誰だろう?
今、先輩のこと“りく兄”って呼んでた。
あ、そっか。先輩の下の名前…陸斗だ。
彼女なのに彼氏の名前忘れるなんて…
私って、ひどい。
「りく兄、ここで何…」
女の子は先輩の前にいる私に気がついて、びっくりしたように黙ってしまった。
私は慌ててペコってした。
「こ、こんにちわ。」
「あ、この人が俺の彼女、吹雪。
で、コイツが雅(ミヤビ)。俺んちの隣に住む生意気な中学生。」
先輩が私を紹介すると、隣にいる雅ちゃんをめんどくさそうに紹介した。
紹介してもらった雅ちゃんはというと、
身長は私と同じくらいでポニーテールが印象的な女の子。ちょっと日焼けしてる感じが部活少女を思わせる。
「お前、挨拶くらいしろよ。」
「…どうも。」
「ったく、何ふて腐れてんだよ。置いてきぼりにしたの怒ってんのか?」
「ち、違うもん。別にふて腐れてないもん。」
ちょっとトゲのある言い方に先輩が雅ちゃんを叱ると雅ちゃんはまたちょっと頬を膨らませた。
何となくだけど、私には雅ちゃんが今どんな気持ちか気づいてしまった。
「吹雪、悪いな。コイツ、人見知りなんだ。」
「いえ、先輩と雅ちゃん、仲良いんですね。」