私のファーストキスもらって下さい。

キスまでの距離






ーーーーーーー次の日。




「悪いな。
せっかく誘っといて、あいつの応援で。
あいつ、すぐ拗ねるから。」




隣を歩く先輩が仕方ないって顔をしながら、
そんなことを言った。



私は今、中学校の敷地内にいた。



そう、先輩と雅ちゃんの応援に中学校に来ていた。



雅ちゃんはテニス部で、今日は他校との交流試合が行われるらしい。




「あいつ、頭悪いけど運動神経はいいから。」





先輩が雅ちゃんをそんな風に言えるのは、雅ちゃんのことをちゃんと理解してるからだと思う。



でも、今日は私が来ちゃいけなかったんじゃないかな…。


だって、雅ちゃん…先輩に見に来てほしかったと思うから。




なんて考えてると、テニスコートの入り口に着いた。



他にも保護者や生徒達が結構たくさん来ていた。





「りく兄っ。」




ガヤガヤとした人混みの中から、テニスウェアでポニーテールの雅ちゃんが走ってきた。





先輩を見つけた時のなんとも言えない嬉しそうな笑顔がやっぱり私の胸をチクリとさせた。




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