私のファーストキスもらって下さい。
その夜、ベットに寝ころんでケータイの画面を見つめていた。
“誠二くん”の文字。
番号とメアドを見ながら、ずっと胸がドキドキしていた。
だって、ずぅーっと夢見てた誠二くんとのメアド交換なんだもん。
嬉しすぎるよぉ。泣きそう。。
でも、誠二くんにメールとかしちゃ駄目だよね。必要最低限の連絡ならいいんだよね。
だって早紀さんに見られたら、よくないし。
ため息をつきながら、天井を見つめた。
誠二くん、先輩と話しなさいって言ってた…
先輩とはちゃんと話したんだけどなぁ。
あ、というか…キス事件のこと、誠二くん勘違いしてるんだった。
なかなか説明できなかったなぁ。
「キス…されてたら、どうなってたんだろ…」
そう呟きながら、先輩の近づいた顔を思い出した。
ドキドキした。
でも、身体か勝手に拒否した。
だって、初めてのキスだよ?
心の中にこの人とじゃない!っていう気持ちがあったんだと思う。
先輩と付き合って、デートして、手を繋いで…
少しずつだけど、距離は近づいてた。
でも、先輩とのキスまでの距離はずっと変わらないままだったと思う。
スタート地点からずっと変わらないまま。
クラスの子に言わせたら、たかがキスで?って笑われちゃいそうだけど…
私は大事にしたいんだもん。
本当に好きな人にあげたいよ。
だっていろんな初めてはたくさんあるかもしれないけど、初めてのキスは一生に一度しかないんだもん。
私と誠二くんのキスまでの距離は、どうなってるのかな。
ずっと近づけないままなのかな。
夢でいいから、ほっぺでもおでこでもいい。
私の初めてのキス…
誠二くんにもらって欲しいよ。