私のファーストキスもらって下さい。




「誠二くん、ホントにありがとう♪」



「いいっていいって。」



「CDいつ返したらいい?」



「ん?ゆっくりでいいよ。
また、いい時にメールして?この公園で待ち合わせしよ。」




待ち合わせだって。ふふ。それよりなにより…





「メール…していいの?迷惑じゃない?」




早紀さんのいる手前、ちょっと気にしてるんだよね。




「何で?迷惑なわけないだろ~。すぐは返せないだろうけど、いつでもメールしておいで。」




そんな優しい誠二くんの言葉に、心の中でガッツポーズ。


嬉し過ぎるよーっっ。。




「よし。帰ろっか。」




そう言って歩きだそうとする誠二くんに私は慌てて呼び止めた。




「せ、誠二くん、おくってくれるの?」



「え、そうだよ?」



「いいよっ。すぐそこだし、誠二くん疲れてるんだから、大丈夫だよっ。」




そうそう、公園出て300メートルくらいで家だし。


でも、いくら大丈夫って言っても誠二くんは送るって言ってくれて…




「いくら近くてももう暗いんだし、心配だからさ。」



「でも…」




すると誠二くんはグッと私の顔に近づき、フッと大人な笑みを浮かべると…




「年上の言うことは素直に聞きなさい?
それとも、俺と一緒に帰りたくないとか?」




そんなわけない!!
むしろずっと居たいくらい。


慌てて首を横に振ると、誠二くんはまた笑って“はい、じゃあ帰りましょ”と歩き出した。



慌てて後を追っかけた私は、きっとニヤケてただろう。誠二くんに見られなくて良かった。



それから私と誠二くんはCDの貸し借りで、たまに公園で待ち合わせして会うようになった。



けど、距離は昔のまんま。
妹の友達、もしくは妹みたいな存在。



でも、私が気づかない内にその距離は少しずつ変化していった。





**ここで一旦鈴sideはお休みです。
次ページから誠二sideになります。



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